家の掃除のなかでもとくに大変なのが、トイレ掃除ではないでしょうか。汚れが落ちにくかったりにおいが残っていたりして、掃除をするのが面倒に感じることもありますよね。今回は、そんなトイレ掃除を効率的にする方法を考えていきます。
トイレ掃除は、道具を上手に使って掃除の作業手順を守れば、今より楽にすることができるのです。がんこな尿石を掃除する簡単な方法もお教えします。
また、本格的にトイレ掃除をしたいときにはプロに依頼するという方法もありますので、そのメリットや注意点も解説します。正しい方法を知って、トイレ掃除をより快適なものにしましょう。
トイレ掃除に必要な道具
トイレ掃除の基本は、まず汚れをしっかり落とすことができる道具を使うことです。トイレ掃除の道具にはおもに次の3つがあります。
トイレ洗剤
トイレ洗剤にはいろいろな種類のものがありますが、日常的な掃除は中性洗剤でおこないます。トイレのプラスチック部分は、酸性やアルカリ性の洗剤を使うとひび割れや変色をしてしまうおそれがあります。中性洗剤でも、プラスチックにそのままつけるとシミになることもあるので注意しましょう。
また、汚れを落とす方法としてクレンザーもありますが、クレンザーはトイレの素材自体を削ってしまうので、どうしてもというときの最後の手段にしましょう。
トイレブラシ
トイレブラシは、便器の中や奥のほうまでしっかり届くものを使うとよいです。スポンジよりもブラシタイプで半球型のものが使いやすいでしょう。
また、トイレブラシはトイレと同じぐらい雑菌が増殖するものです。デザインや掃除のしやすさはもちろんですが、衛生面も重要です。そこで、ブラシ部分を使い捨てにした商品も出ています。
トイレお掃除シート
トイレ掃除では汚れを落とすことはもちろんですが、除菌することも大切です。そこで、お掃除シートは除菌効果があるものがおすすめです。厚手なものであれば1枚で掃除ができて手も汚れにくくなります。
繰り返し使用すると雑菌が気になりますので、シートは使い捨てにしましょう。水で流せるものを使えば、掃除のあとは流すだけなので簡単です。トイレットペーパーをシートの代わりに使うことができる商品もあります。
トイレ掃除の効率的な作業手順
トイレ掃除は、毎日トイレを使用するときに目についたところをサッとしておくと安心です。特に便器の中の汚れは、いつも流している水を利用すれば洗剤がなくてもできますので、見つけたら掃除しておきましょう。
そのうえで週に1回程度、しっかりと掃除をします。雑菌を広げていかないように以下の手順を守っておこないましょう。
タンクの掃除
トイレお掃除シートを使ってタンク部分を掃除します。シンクやレバーも汚れていますので、かならずふきましょう。
便器の掃除
トイレお掃除シートを使って、まずは便座をふきます。次にトイレブラシを使って便器の中を掃除します。このとき、ふちの部分や裏側までしっかりこすりましょう。
最後にまたトイレお掃除シートを使って便器の外の部分をふきます。使い終わったシートは水に流せるものであればそのまま流し、流せないものはゴミ箱に捨てます。
床や壁の掃除
お掃除シートで便器の両脇や腰の高さまでの範囲を中心に掃除します。便器と床をつないでいる部分はとくに汚れがたまりやすいので注意しましょう。
床や壁は汚れていないように見えても尿の飛沫などがあり、雑菌と反応して悪臭の原因となります。床にも尿が飛び散っていたり、トイレットペーパーから出るほこりで汚れていることもあります。忘れずに掃除しましょう。
トイレの尿石を掃除する方法
日常的なトイレ掃除の方法について、おわかりいただけたでしょうか。次に、がんこな汚れがある場合の掃除方法を紹介していきます。
トイレについている黄色い汚れが尿石よごれです。これは見た目が汚いだけでなく、悪臭の原因にもなりますのでしっかり掃除をして落としましょう。
酸性洗剤を使用する
先ほど、日常的なトイレ掃除は中性洗剤のみでおこなうといいました。しかし尿石汚れに関してはアルカリ性なので、強力な酸性洗剤を使うと効果的です。独特の酸のにおいがしますが、酸の作用で尿石の汚れを溶かすことができます。
酸性の洗剤はふりかけただけでも尿石を落とすことができる場合が多いですが、トイレットペーパーにしみ込ませて汚れに貼り付けるという方法もあります。この方法なら、貼り付けた部分の尿石よごれをじわじわと分解させることができるのです。トイレットペーパーをはがした後は、スポンジなどでこすってみるときれいに汚れが落ちるでしょう。
尿石除去剤を使用する
尿石除去剤は、男性用小便器の排水管が詰まってしまったときに詰まりを解消するために置かれていることが多いものです。洋式の便器でも、尿石除去剤を定期的に使用すると便器が詰まりにくくなります。
尿石除去剤にはいろいろな種類がありますが、使い方はどれでも同じです。尿石のある場所にかけてからこすり落とします。一度で汚れがとれない場合は何度か繰り返すと少しずつとれていきます。
尿石除去剤は強力な洗剤なので、素手では触れないようにしましょう。またにおいも強いので、窓を開けるなどして換気をしながら掃除しましょう。
サンドペーパー等を使用する
洗剤を使っても落とすことができないがんこな尿石は、削って落とします。サンドペーパー(紙やすり)等を使えば、がんこな汚れをきれいに削ることができます。
トイレ掃除に使うサンドペーパーは、耐水性のものにしましょう。ホームセンターや100円ショップでも簡単に買うことができます。便器に傷をつけないように、なるべく目の細かいものを使用するとよいでしょう。掃除のあとはトイレに流さないようにしてください。
汚れは落としたいけれどサンドペーパーでは傷がつくのがこわい……という人は、陶器用研磨パッドというものもあります。これを使えば陶器でできている便器の汚れをやさしく落とすことができます。
ただし、削って汚れを落とすことはあくまでも最終手段にしてください。簡単に削ろうとすると便器に傷がついてしまいます。また、便器がコーティング剤などで塗られている場合にはそのコーティングが落ちて、かえって汚れがつきやすくなることもあります。
本格的なトイレ掃除はプロに依頼しよう
ここまで自分でできるトイレ掃除の方法について解説してきました。もしいつもの掃除の方法とちがっていたら、一度掃除のやり方を変えてみると今までよりもトイレがきれいになるかもしれません。
しかし、家庭でできるトイレ掃除には限度があります。本格的にトイレをきれいにしたいというときには、プロにお願いすることもひとつの方法です。
トイレ掃除をプロにお願いした場合は、「トイレクリーニング」と呼ばれるサービスを受けることになります。トイレクリーニングとは、自分でトイレ掃除をしても落としきれない汚れや尿石、便器内に飛散している排泄物などを取り除くサービスです。
このトイレクリーニングでトイレの汚れをしっかり落としてもらえば、トイレのにおいも解消することができます。また、トイレの壁や床ももちろんきれいにしてもらえます。
トイレクリーニングでは、基本的にはトイレ掃除一式をお願いできます。ただし、一式に含まれる場所が業者によってちがいますので注意してください。例えば、温水洗浄便座のノズル、水栓タンク、ペーパーホルダー、換気口の表面、窓などの場所は、あらかじめ含まれるかどうか聞いておきましょう。
また、トイレクリーニングをしてくれる業者のほとんどがトイレのコーティングもおこなっています。掃除のあとに便器をフッ素でコーティングすることによって、今後汚れがつきにくくなります。汚れがついたとしても、こびりつくことが減って自分でするトイレ掃除でも落とすことができるようになるのです。
このようにとてもうれしいサービスであるトイレクリーニングですが、トイレの汚れを長い間放置していた場合の汚れや、カビが発生している場合などは完全にはきれいにならないこともあります。やはり、日ごろからできる範囲でもこまめにトイレ掃除をしておくことをおすすめします。
まとめ
トイレ掃除の方法について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。トイレ掃除にはいろいろな道具があり、目的に合ったものを使うことが大切です。また、効率的に作業を進めるために、手順を守って掃除しましょう。
本格的なトイレ掃除をしたいときは、プロにお願いしてみるときれいになります。日ごろ掃除できない部分や落ちない汚れもトイレクリーニングできれいにしてもらえるのはうれしいですね。コーティングをしてもらえば、今後の掃除が楽になります。
ただし、汚れをあまりに放置していた場合はプロの掃除でも限界がありますので、日ごろの掃除もしっかりしておくことが大切です。利用できるものは利用しながら、トイレ掃除を快適にしていきましょう。