リビングやダイニングなどに敷かれていて、大きな存在感を醸し出す絨毯。雰囲気に合った絨毯の存在はその部屋の雰囲気をより一層良いものにしてくれます。しかし大きな絨毯はついつい敷きっぱなしにしてしまいがちです。そうすると気づかないうちにシミや汚れがついてしまいせっかくの絨毯が台無しになってしまいます。
大きくてそう簡単には洗うことができない絨毯ですが、綺麗にするためにさまざまな方法があります。そこでこの記事では、自分で絨毯の掃除を行う方法や、業者にクリーニングを依頼することのメリット、そして知っておきたい絨毯の知識について詳しく解説していきます。
自宅でできる絨毯のクリーニング方法
絨毯は使い捨てではなく何年も使い続ける物です。飲み物をこぼしてしまったり、タバコを落としてしまったなんて不注意で汚れてしまうことがあるのは仕方ありません。何年も敷いてあるような絨毯は黒ずみ、臭い、シミがついてきてしまいます。掃除機がけをするだけでは上手く掃除できたとは言えないのです。
そういうときにどうやって対処すればいいか、どうやればシミを消すことができるのか。ここでは自宅でできる絨毯のクリーニング方法について解説していきます。
軽い汚れは重曹で落とす
重曹での掃除は絨毯についた汗や皮脂の嫌な臭いや、油汚れを落とす際に効果的です。汗の臭いを防ぎたい場合は重曹を絨毯全体にふりかけてください。そして2~3時間後掃除器で吸い取ります。重曹を放置しておく時間が長いほど効果が高くなっていくので、就寝前に撒いておいて翌朝吸い取るのが効果的でしょう。
ペットの粗相や吐しゃ物による臭いの場合は、雑巾などで表面の汚れを拭き取ったあと、汚れに重曹を山になるほどかけ水分を吸わせます。重曹が乾燥したら掃除機で吸い上げましょう。できるだけ早く対処することが大切です。
汚れの種類別!シミ抜き方法
絨毯を汚してしまった場合、素早く対処することが大切です。汚れは時間経過によって段々落としにくくなってしまいます。ここでは様々な種類の汚れに対しての対処法を紹介していきます。あくまでも絨毯の汚れを最小限にとどめる応急処置なので、ここで紹介する方法でシミが取れない場合は、無理せずプロのクリーニング業者に依頼することも大切です。基本的なシミ抜き方法紹介します。
【用意する物】- ・タオル
- ・ぬるま湯を入れたスプレーボトル
- ・ティッシュペーパー
- ・中性洗剤
- 1. ティッシュペーパーなどで水分や目に見える汚れを取り除きます。あまり擦ったりしないようにしましょう
- 2. 汚れにぬるま湯を吹きかけて、タオルで叩きながら汚れを吸い取ります。汚れている範囲が広がらないようにタオルのきれいな部分で叩くのがポイントです
- 3. 汚れが残っている場合は、ぬるま湯に中性洗剤を少し混ぜて先ほどの作業を繰り返します
- 4. 中性洗剤を使用した場合は、絨毯に洗剤が残らないようにもう1度ぬるま湯だけを使ってタオルで叩き洗剤を吸い取ります
ここまでが基本的なシミ抜きの方法です。ここからは汚れの種類がわかっている場合のシミ抜き方法について紹介していきます。それぞれの汚れに合ったシミ抜きの方法なので、より効果的と言えます。
●水溶性の汚れ
- 醤油・ソース
- 1. ティッシュペーパーなどで絨毯の表面の汚れを吸い取ります
- 2. 中性洗剤をつけた雑巾で拭き取ります
- 1. 水を絞った雑巾で汚れを叩きます
- 2. 薄めた中性洗剤をコットンなどにつけ、汚れに染み込ませます
- 3. 雑巾で上から押さえてブラシなどで叩き、雑巾に汚れを移し取ります
- 1. ティッシュペーパーで汚れを拭き取り、染み抜き剤でチョコレートの脂肪分を拭き取ります
- 2. 薄めた中性洗剤をつけた雑巾で汚れを叩き取ります
- 1. ティッシュペーパーで絨毯の汚れを吸い取ります
- 2. 薄めた中性洗剤をつけた雑巾で汚れを叩き取ります
冷たい水だと、牛乳のたんぱく質が固まって取れにくくなってしまうので気をつけてください。
●油性の汚れ
マヨネーズ・ケチャップ- 1. 絨毯表面の汚れをこすり取ります
- 2. お湯をつけた雑巾で拭き取り、その後中性洗剤もつけて拭き取ります
- 1. ベンジンをコットンなどに染み込ませて、上からブラシなどで叩いて汚れを移します
- 2. 中性洗剤をつけた雑巾で揉むようにして汚れを落とします
- 1. 水を絞った雑巾で叩くようにして汚れを落とします
- 2. 落ちなかった場合は毛糸洗い用の洗剤を水に溶かして、雑巾つけ汚れを叩き出します
●その他の汚れ
泥- 1. 乾かした泥をブラシで落とし、中性洗剤をつけた雑巾で汚れを叩き出します
- 1. 氷などで絨毯についたガムを冷やし固めます
- 2. 固まったガムを剥がし、残ったものは染み抜き剤をつけた雑巾で叩き落とします
- 1. 水を絞った雑巾で汚れを叩き、染み抜き剤をつけた布に汚れを移し取ります
- 2. 中性洗剤をつけた雑巾に汚れを移すように拭き取ります
血はたんぱく質が凝固してしまうので、冷たすぎる水や熱いお湯の使用は控えましょう。
絨毯のお手入れ方法
絨毯を長く綺麗なまま使うためには日々のお手入れが必要不可欠です。とくに難しいことをする必要はないので、習慣づけるように心がけましょう。
- ・毎日絨毯の表面に付いた汚れを取る
- ・週に1回、掃除機で深くに入り込んだ汚れを吸い取る
- ・月に1回、掃除用洗剤を絞ったタオルで毛並みにそって拭く
- ・半年に1回、天気のいい日に風通しのいい場所で干してホコリを叩き出す
絨毯のクリーニングを業者に依頼してみましょう
自宅でのシミ抜きで汚れが取れなかった場合、クリーニング業者に依頼して綺麗にしてもらいましょう。自宅やコインランドリーで洗濯できないサイズの大きな絨毯は、業者に依頼して洗濯してもらうしかありません。ここからは絨毯のクリーニングを業者に頼む際、気になることについて解説していきます。
絨毯のクリーニングを業者に依頼するメリットとは?
クリーニング業者に依頼するプロの視点から、その絨毯に適したさまざまな方法で汚れを取り除いてくれます。無理に自分で洗濯しようとして絨毯の素材に合っていない方法で洗濯してしまうと、絨毯を傷めてしまうこともあり得ます。
主な作業工程
具体的な作業内容は業者によって違うようですが、一般的には、
- ① 絨毯の状態を確認
- ② 水洗い
- ③ 漂白・艶出し
- ④ シャーリング(傷んだ毛先のカット)
という流れです。どこの業者も作業工程をサイトで確認することができるので、どんな流れで絨毯のクリーニングを行っているか見比べてみるのもいいかもしれません。
絨毯のクリーニング費用に影響するもの
絨毯のクリーニングを業者に頼む際、料金も気になるところです。絨毯の大きさ1畳や1㎡あたりで計算しているクリーニング業者が一般的です。また、絨毯の種類や材質によっても値段が変わってくるので、あらかじめ確認しておきましょう。業者によっては、オプション料金を払うことで防ダニ加工や花粉を防ぐ加工を行っている場合があります。
絨毯のクリーニングを依頼する業者の選び方
絨毯のクリーニングを業者に依頼する場合、何よりも信頼度の高い業者を選びたいところです。業者のホームページや口コミを見て、過去の実績や利用した方の感想をチェックするといいでしょう。業者をある程度絞ることができたら、相談や見積もりをとってみることで業者の雰囲気を直接確かめることも大切です。
他には絨毯の宅配サービスや保管サービスを行っている業者も便利です。厚手の絨毯など使う時期が限られている絨毯を業者が保管してくれるので、次に使う時まで綺麗なままの状態を保っていられます。
知っておきたい絨毯のあれこれ
絨毯をクリーニングするために知っておきたいことは他にもあります。絨毯についての理解を深めることは、長く使い続けるために必要なことと言えます。
絨毯の素材による特製の違い
絨毯にはさまざまな素材が使われています。そのため1つ1つ長所と短所が違います。ここでは絨毯の素材について解説していきます。
ウール- 肌ざわりがよく汚れにも強いが、虫やカビに弱い
- 肌ざわりがよく水や熱に強いが、縮みやすい
- 肌ざわりがなめらかで湿度に強いが、虫に弱く黄色く変色しやすい
- 耐久性に優れていて水に強いが、しわになりやすく摩耗すると毛羽立ってしまう
- 強度が高く汚れが落ちやすいが、紫外線に弱い
- 価格が安くしわになりにくい、とくに短所は存在しない
- 弾性・柔軟性が高く摩擦に強いが、吸水性がなく熱に弱い
- 強度に優れ色褪せにも強いが、無駄毛が出て耐火性も低い
素材の特性を理解したうえでクリーニングをすることが大切です。
色落ちについて
ウールなどの天然素材でできた絨毯は色落ちしやすいので、シミ抜きを行う際も注意しなくてはなりません。温度の高いお湯を使ってはいけない理由も色落ちしてしまうからです。シミ抜きに漂白剤を使う人がいますが、色柄物にも使用できるタイプであっても使ってはいけません。衣類とは違い絨毯は十分なすすぎができないので、漂白剤の成分が残ってしまうからです。
注意したい保管方法
絨毯を折りたたんだまま長時間保管しておくと絨毯に折り目がついてしまいます。また型崩れの原因になるので必ず丸めましょう。丸めた絨毯は横に置いて保管してください。ホコリがつかないように収納袋に入れて保管する人もいますが、湿気が籠って絨毯が傷んでしまうので収納袋は必要ありません。
まとめ
絨毯をきれいで清潔な状態を維持するためにクリーニングはとても大切です。毎日少しずつ汚れが溜まってしまうので日々のお手入れも忘れないようにしましょう。家庭に小さなお子さまがいる場合はとくに気をつけなくてはいけません。自分では落とせない汚れがある場合はクリーニング業者に依頼してみましょう。プロの技術によって最適なクリーニング方法で絨毯をきれいにしてくれます。
絨毯を長く使い続けるためには、素材の特性や保管方法にも気をつけないといけません。どんな絨毯なのかをちゃんと理解して絨毯をきれいにクリーニングしましょう。