エアコンの掃除は自分でこまめにしておくことも大切もですが、1~2年に1度はプロに掃除してもらうのがおすすめです。エアコンは精密機器なので、自分で掃除ができる範囲は限られます。内部にホコリがたまっていることもあるので、ときどきプロにクリーニングしてもらえばカビなどを防いでより快適にエアコンを使えます。
エアコン掃除の最適な頻度とタイミング、自分でできる掃除の方法、業者に頼むメリットを解説します。業者の料金相場と費用を抑えるポイントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
自分でできるエアコン掃除の範囲とおすすめのプロ活用法
精密機器であるエアコンの掃除は自分でできるものなのか、どこまでならできるのかと疑問を感じている方もいるでしょう。まずは、エアコンはどのように、どれくらいの頻度で掃除するべきなのかを確認しましょう。
エアコン掃除の最適な頻度とタイミング
エアコンの掃除はできる限りこまめにしておくのが理想です。エアコンは室内の空気を吸い込んで吐き出す動作を繰り返しているので、使っていれば内部のフィルターに室内のホコリがたまっていきます。ホコリがたまったまま使っているとエアコンの作業効率が悪くなって電気代が高くなったり、室内の空気が汚れたりする原因になります。
フィルターは自分でも取り外して掃除ができるので、月に1度程度は掃除しておくのが快適にエアコンを使用するポイントです。そこまで頻繁にできないという場合は、少なくとも夏や冬のエアコンを使い始めるタイミングで年に2回程度は掃除しておきましょう。
また、自分でこまめに掃除をしていても、どうしても汚れやほこりがたまる部分はあります。自分では難しいエアコン内部の掃除は、プロに任せましょう。1~2年に1度程度プロに内部のクリーニングをしてもらえば気持ちよくエアコンを使え、エアコンの不調を防ぐことにもつながります。
自分で掃除ができる範囲
頻繁にプロのエアコン掃除を頼んでいると費用がかさんでしまうので、できる限りは自分で対処したほうが節約になります。自分の掃除とプロのクリーニングをバランスよく活用するためには、エアコン掃除はどの程度まで自分でできるのか把握しておくことが大切です。
一般的な壁掛け型エアコンの場合、以下の箇所は自分で掃除が可能です。
- ・室内機カバー
- ・フィルター
- ・吹き出し口
- ・ドレンホース
- ・室外機の外側
- ・室内機内部
カバーや内部のフィルター、吹き出し口のルーバーを外して掃除すれば、さらに見える部分全体がきれいになります。外部につながるドレンホースはつまっていると故障の原因になることもあるので、掃除しておきましょう。室外機の外側や周辺を掃除しておけば、エアコンの動作が安定して故障を防ぐことにもつながります。
専用の洗浄スプレーを使えば、室内機内部の掃除も可能です。ただし、正しく使用しなければ不具合の原因になることもあるので、事前に使用方法をよく確認してください。
上記の箇所を自分で定期的に掃除しておいて、自分では手の届かない部分の大掃除やメンテナンスとしてプロのエアコンクリーニングを活用するのがおすすめです。
【箇所別】自分でできる簡単なエアコン掃除の道具と手順
自分でも掃除が可能な箇所ごとに、掃除に必要な道具と作業手順をご紹介します。エアコンの故障や建物の破損などが起きないよう、手順を確認して慎重に作業しましょう。
エアコンを掃除するときには、必ず電源を切って電源プラグをコンセントから抜いてください。コンセントにプラグを挿したままでエアコンの金属部に手が触れたり洗剤がかかったりすると、感電するおそれがあります。洗剤を使用する場合はコンセントにかからないよう、コンセントにビニールを被せるなどの養生をしておくのが安全です。
室内機カバー
室内機の前面を覆っているカバーは、取り外すことができます。取り外す方法は機種によって異なるので、取扱説明書などを確認してください。基本的には、カバーと本体の接続部分のつまみをずらして外せるようになっていることが多いです。
【掃除に必要な道具】
- ・脚立や踏み台
- ・中性洗剤
- ・スポンジ
- ・乾いたタオル
【掃除の手順】
- (1)カバーを取り外します。
- (2)お風呂場などで水洗いをします。内側に付いたホコリや汚れも、洗剤を付けてスポンジなどでこすればきれいになります。
- (3)シャワーで洗剤をすすぎます。
- (4)乾いたタオルなどでふき上げてよく乾かします。
- (5)完全に乾いたら、本体に取り付けましょう。
フィルター
室内機前面のカバーを開けると、その下にはフィルターが付いています。このフィルターも、取り外して掃除ができます。フィルターはホコリが室内機の内部に入り込まないようにするための部品なので、最も汚れている箇所でもあるのです。
【掃除に必要な道具】
- ・脚立や踏み台
- ・中性洗剤
- ・歯ブラシ
- ・乾いたタオル
【掃除の手順】
- (1)カバーを開けます。
- (2)フィルターを取り外します。基本的にフィルターは本体のくぼみに差し込まれているだけなので、簡単に取り外せます。
- (3)フィルター表面に付いているホコリを掃除機で除去します。ホコリはフィルターの表面に付いているので、裏面から掃除機をあてると目がつまってしまいます。
- (4)お風呂場などで、洗剤を付けた歯ブラシなどでフィルター裏面をこすって水洗いします。掃除機のときとは逆に、裏面からシャワーをかけてこするとホコリが取れやすいです。
- (5)最後にシャワーでよくすすぎます。
- (6)乾いたタオルでふき上げ、よく乾かします。
- (7)必ず完全に乾いたことを確認して、本体に戻しましょう。濡れたままだと、水分にホコリが付いて目づまりを起こすことがあります。
吹き出し口
エアコンの風が出てくる吹き出し口が汚れていると、部屋にホコリや汚れが飛散してしまいます。風向を調節する羽であるルーバーにはカビが発生することも多いので、こまめに掃除して清潔に保ちましょう。
【掃除に必要な道具】
- ・脚立や踏み台
- ・中性洗剤
- ・スポンジや歯ブラシ
- ・エタノールなどの消毒液
- ・キッチンペーパー
- ・割りばし
- ・輪ゴム
- ・乾いたタオル
【掃除の手順】
- (1)ルーバーを取り外します。両端のつまみ部分をずらして外せることが多いです。取り外し方は取扱説明書で確認してください。取り外せない場合は無理をせず、付けたまま掃除しましょう。
- (2)取り外したルーバーをお風呂場などで水洗いします。洗剤を付けてスポンジでこすったり、細かい部分は歯ブラシでこすったりしましょう。
- (3)シャワーですすいだルーバーをタオルでふき上げ、よく乾かします。
- (4)本体の吹き出し口部分に消毒液を吹きかけ、キッチンペーパーでふきます。ルーバーを付けたままの場合は、割りばしにキッチンペーパーを巻き付けたものを使うと奥までふきやすいです。
- (5)ルーバーが完全に乾いたら、本体に取り付けましょう。
ドレンホース
室内機から壁を通って外に出ている配管は、室外機の近くで3本に分かれています。3本のうち、口が開いていてエアコン使用時に水を排出しているのがドレンホースです。
ドレンホースには、エアコンが空気を冷やす過程で室内機の中に発生した結露を排出する役割があります。もしもドレンホースが汚れでつまってしまうと、室内機の水漏れなどの原因になります。屋外にあるため放っておかれがちですが、定期的な掃除とともに状態を確認しておきましょう。
【掃除に必要な道具】
- ・掃除機
- ・薄手の布
- ・輪ゴム
【掃除の手順】
- (1)ドレンホースの排出口に割りばしを差し込み、届く範囲の大きなゴミを取り除きます。
- (2)ドレンホースの先端を布で覆い、輪ゴムで固定します。
- (3)ドレンホースの先端を掃除機のホースに差し込みます。
- (4)掃除機を作動させ、ドレンホース内の細かいゴミを吸引します。
- (5)水を吸い込む音が聞こえた場合は、すぐに掃除機を外してください。水を吸引すると、掃除機が故障することがあります。
室外機の外側
屋外に設置されているエアコンの室外機には、ゴミや汚れがたまりやすいです。室外機も室内機と同様に精巧な器械なので、無理に奥まで掃除しようとすると故障の原因になります。外側や周辺の掃除なら自分でもできます。
【掃除に必要な道具】
- ・ほうき
- ・ゴミ袋
- ・歯ブラシ
- ・雑巾
【掃除の手順】
- (1)室外機外側にたまっているゴミをほうきで落とします。
- (2)細かい部分につまった汚れは歯ブラシなどでかき出します。
- (3)濡らして絞った雑巾で室外機外側をふいて汚れを取ります。
- (4)室外機周辺のゴミをほうきで掃いて取り除きます。
室内機内部
室内機の内部を洗浄できる市販の専用スプレーを使えば、室内機の奥にあるフィンの部分を掃除できます。ただし、内部の洗浄は他の部分に比べて難易度が高いです。周囲の養生や部品の分解などの準備が必要で、失敗してエアコン自体が故障するリスクもあります。よほど自信がない限り、エアコン内部の掃除はプロに任せるのがおすすめです。
【掃除に必要な道具】
- ・エアコン内部洗浄用スプレー
- ・養生シート
- ・養生テープ
- ・大きめのポリ袋
- ・はさみ
- ・バケツ
- ・ドライバー
- ・乾いたタオル
【掃除の手順】
- (1)室内機の前面カバーとルーバーを取り外します。
- (2)室内機の内部カバーを、ドライバーを使って取り外します。各部品の取り外し方は、エアコンの取扱説明書を確認してください。
- (3)室内機回りの壁面を覆うように養生シートを貼り付けます。
- (4)ポリ袋を逆三角形になるように切って、室内機の吹き出し口下部に貼り付けます。
- (5)養生シートを丸めて筒状にして、(4)の底部分につなげます。
- (6)(5)で作った筒状のシートの下にバケツを置き、バケツの下にも養生シートを敷きます。室内機からポリ袋に落ちた水が養生シートを通って、バケツに落ちるようにしましょう。
- (7)作業中に水がかからないよう、室内機の電子部品に養生シートを被せます。
- (8)室内機のフィンにまんべんなく洗浄スプレーを吹き付け、放置します。放置時間や使用方法はスプレーの説明書を確認してください。
- (9)洗浄液がバケツへ流れ落ちたら、乾いたタオルでフィンや室内機全体をふきます。
- (10)室内機全体が完全に乾いたら、カバーやルーバーを戻します。
- (11)養生シートを取り外します。
カビ予防もバッチリ!プロのエアコンクリーニングはここが違う
せっかくお金を払って業者にエアコンクリーニングをしてもらうなら、自分ではできない部分を掃除してもらいたいですよね。自分で掃除するのとプロがするのとではどう違うのか、プロに依頼するメリットをご紹介します。
分解して内部を徹底洗浄
室内機の奥まった部分は、分解しなければ手が届かず掃除ができません。しかし、素人がエアコンを分解するのは困難です。もとに戻せなくなって故障してしまう危険もあります。エアコンの構造に詳しいプロであれば、取り外せる部品はすべて分解してそれぞれを水洗いし、手の届かなかった室内機の奥も掃除できるのです。
室内機の奥に知らないうちに発生していたカビを除去すれば、吹き出し口から出てくる不快なにおいもなくなります。また、オプションで抗菌コートの塗布ができる業者もあります。抗菌を施しておけば、掃除後もしばらくはカビの発生を抑えられるのです。
室外機内部の掃除も対応
室内機と同様に、室外機もプロは安全に分解して掃除してくれます。室外機の内部には落葉などのゴミがたまっていたり、ゴキブリなどの害虫が住み着いていたりする場合もあるので、定期的に掃除しておきましょう。室外機のゴミを取り除いて熱交換がスムーズになれば、電気代の節約にもつながります。
故障や汚損対策も万全
エアコンクリーニング業者の多くは、作業中にエアコンを破損してしまったり住宅の壁や床を汚してしまったりといった事故に備えて、損害賠償保険に加入しています。エアコン掃除によって発生するかもしれない損害を、最小限に抑えられるのです。
多彩なオプションで家まるごとクリーニングも可能
エアコン以外に、キッチンやお風呂などのクリーニングにも対応している業者もあります。複数箇所のクリーニングを同時に依頼すると料金が割安になるプランを用意していることもあるので、活用すれば家中をまとめてきれいにできます。
エアコンクリーニング業者の料金相場と費用を抑えるコツ
エアコンクリーニングを業者の料金は、エアコンのタイプごとに設定されていることが多いです。料金の相場は下表のとおりです。
エアコンクリーニング料金の相場 | ||
壁掛けタイプ | お掃除機能なし | 12,680円 |
お掃除機能あり | 20,720円 | |
天井埋め込みタイプ | 26,540円 |
※エアコン1台分の料金です。
※金額は弊社がランダムに抽出したエアコンクリーニング業者5社の公式サイトに記載されている料金の平均です。
上記は基本的な料金ですが、抗菌コートなどのオプションを付けることでより高くなることもあれば、割引キャンペーンなどで安く依頼できることもあります。できるだけ安くエアコンクリーニングを依頼するコツを、3つご紹介します。
繁忙期を避ける
エアコンクリーニング業者の繁忙期はおもに、エアコンの使用頻度が高い夏場の6月~8月頃、引越しシーズンの3月~4月頃、大掃除シーズンの年末年始です。この時期はエアコンクリーニングの依頼が混み合って放っておいても仕事が入るので、業者は積極的な割引サービスをしない傾向にあります。
逆にエアコン掃除の需要が少なくなる5月、9月、10月頃は依頼も少なくなるので、業者は仕事を獲得するためにさまざまなキャンペーンを実施することが多いのです。お得に依頼できる可能性があるので、早急に掃除をしなければいけない事情がなければ、繁忙期以外の時期を狙うのがおすすめです。
他のクリーニングとまとめて依頼
エアコン以外の箇所も同時にクリーニングすると、1ヵ所あたりの料金が割安になるセットプランを用意している業者もあります。エアコン単体で依頼するよりも総額は高くなりますが、いずれ掃除しなければいけない場所があるなら、まとめて頼んでしまったほうがお得です。
相見積りをする
エアコンの種類やサイズ、設置環境によっては実際の料金が変動することもあるので、正式に依頼をする前には一度業者に見積りを取るのが一般的です。また、業者によって設定している料金には差があります。
そのため、まずはいくつかの業者を選んで見積りを取ってみましょう。それぞれの見積りを比較すれば、最も料金の安い業者を見つけられます。相見積りの際は、少なくとも2~3社の業者を選ぶのがおすすめです。
ただ、エアコンクリーニングができる業者はたくさんあるので、どこに見積りを頼めばよいのかわからないこともあるでしょう。そのようなときには、弊社にご相談ください。弊社では、ハウスクリーニング業者をご紹介しております。お近くの業者を厳選してご紹介しますので、相見積りの1社にぜひご検討ください。