花粉症の季節でもないのに、なぜか家のなかにいてくしゃみや鼻水、咳が止まらなくなってしまったという経験はありませんか。その症状には「ハウスダスト」が関係しているかもしれません。
よく聞く単語ですがハウスダウトと一口にいってもその中身はさまざまで、正体がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、掃除しているつもりでもどこからか発生しているハウスダストの正体や危険性、効果的なハウスダストのお掃除方法などをご紹介していきます。家のなかをより快適な空間にするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそもハウスダストとは一体なに?
テレビなどで耳にすることの多い「ハウスダスト」とは、一体なにものなのでしょうか。ハウスダストの掃除をするためには、その正体や発生源を突き止めておきたいものです。意外とたくさんあるハウスダストの正体やその危険性についてご紹介します。
ハウスダストの正体
ハウスダストとは、ダニの死骸やフン、花粉や細菌などといった1mm以下の細かいホコリのことをいいます。ほかにもペットの抜け毛やたばこの煙、カビや衣類などの綿ボコリなどが挙げられます。
ハウスダストはどこから来るの?
家のなかでは、たくさんのハウスダストが発生しています。毎日着ている衣類や布団から落ちた綿ボコリや髪の毛、紙の繊維などさまざまです。普通に生活しているだけでもハウスダストはどんどん発生しているのです。
じつは、ハウスダストは家のなかだけで発生しているわけではありません。ハウスダストの約3割近くは、外出したときに洋服やバッグなどに付着して、知らないうちに家のなかに持ち込んでしまっているのです。たとえば花粉や砂ボコリ、排気ガスなど、外を歩けば当たり前に付着してしまいます。
ハウスダストで問題なのはアレルゲン
家のなかに多く存在するハウスダストですが、わたしたちには一体どのような害を及ぼすのでしょうか。問題はアレルゲンにあります。ハウスダストは、ダニやカビなどのアレルゲン物質の宝庫なのです。
家のなかを歩くだけで、無数のアレルゲンが空気中に舞い上がり、無意識に吸い込んでしまいます。体がアレルゲンに反応すると、くしゃみや鼻水の症状がおこります。ひどくなってしまうと、結膜炎やぜんそくの原因となる恐れがあるほど危険な物質なのです。
ハウスダストがたまりやすい場所
ハウスダストは1mm以下と細かく目に見えないため、パッと目にとまるものではありません。効果的なハウスダストの掃除をするためには、家のなかのどのあたりにたまりやすいかを知っておく必要があります。
ここからは、ハウスダストがたまりやすい場所とその理由をご紹介していきます。
寝室
家のなかにあるハウスダストのほとんどが繊維のくずや綿ボコリです。つまり、毎日使う布団はハウスダストを多く発生させていることになります。さらに、寝室は髪の毛や皮脂、ダニも発生しやすい場所なのです。
床
ハウスダストは軽い物質なので、風や人の動きなどによって空間に舞い上がります。そして、動きがないときには床に落ちていくため人が留守にしている時間や就寝しているときには床に多くたまっているのです。
トイレ・洗面所
トイレや洗面所といった湿度の高い場所にはカビが発生しやすくなります。加えて、狭い空間にはホコリがたまりやすいのです。
バルコニー
意外にも、屋外のバルコニーはハウスダストがたたまりやすい場所です。空気中の花粉やカビが風に乗ってバルコニーへ飛んできて、床に落ちてしまいます。
家具のすきま
タンスや冷蔵庫など普段は動かすことのない家具と壁のすきまを見てみると、驚くほどホコリがたまっていませんか。テレビ台や本棚の後ろなどにも多くのハウスダストがたまっていることでしょう。
カーテン
布製品のカーテンは、繊維のくずなどのハウスダストを発生させやすいものです。さらに、窓の周辺は結露によってカビが発生しやすい場所であるため、そこにあるカーテンはカビを吸収してしまいます。
このように家のあちこちにハウスダストがたまっているということがわかります。ではどのようにハウスダストの対策をしたらよいのか、これからご紹介していきます。
ハウスダスト対策には掃除がいちばん!
嫌でもたまってしまうハウスダストは、掃除をすることがいちばんの対策になります。ハウスダストの発生しやすい場所や性質をふまえて、対策をしていきましょう。
上から下へが基本
ホコリは床へ落ちていくため、部屋の高い場所から低い場所の順番で掃除をします。最後に下へ落ちたホコリを掃除するようにしましょう。掃除の際の注意点は、ハウスダストがなるべく宙に舞わないようにすることです。
朝におこなう
ハウスダストは、人が活動している時間帯には空気中に舞い上がっています。このため、就寝中に床に落ちたハウスダストを朝に掃除してしまえば効率的です。朝は忙しくて掃除をする時間がない場合には、帰宅したあとすぐに掃除することをおすすめします。
モップのあとに掃除機を
最初から掃除機をかけて一気に掃除してしまいたいものですが、ハウスダストは軽いので掃除機の排気などで空中に舞い上がってしまいます。そのため、最初に吸着性のあるハンディーモップやフロアシートなどを使ってハウスダストを取り除きましょう。
そのあとに掃除機を使って、取りきることができなかったハウスダストをきれいに掃除します。掃除機でも取りきることができなかったハウスダストは、最後に水拭きをして拭き取れば完了です。
カーテンも洗濯しよう
ハウスダストを吸収したカーテンを毎日開け閉めしていれば、カビの胞子などが空気中に舞ってしまいます。時間があるときにカーテンも洗濯して、潜んでいるハウスダストを取り除きましょう。
カーテンを洗濯するにはレールから下ろして金具を外してと手間がかかりますが、できるかぎりきれいにしておく方が見た目も健康にもよいです。こまめに洗うのは大変ですが、最低でも年に2回程度は洗濯をするとよいでしょう。
ほかにもマットやソファーカバーなどハウスダストが付着しやすい布製品は意識して定期的に洗濯をすることをおすすめします。ほかにも、いつも座っているソファーにコロコロをかけるなどしておくことも効果的です。
ペットを飼っている方は、ペットの抜け毛もこまめにコロコロで取り除いておくとよいでしょう。ハウスダストは、常に私たちのまわりを漂っているものです。完全になくしてしまうことはできません。
しかし、ハウスダストを意識した掃除や布製品の定期的な洗濯によって、有効なアレルギー対策にもなります。ハウスダストを掃除して、快適な生活空間を保ちましょう。
アレルゲンへの集中的な対策法
アレルギー症状を引き起こす原因であるアレルゲンには、ダニや花粉、カビなどがあります。ハウスダストの掃除のほかに、これらのアレルゲンを集中的に対策する方法をご紹介します。
ダニ
ダニはとても小さく、ほとんど見て確認することができませんが、私たちの生活のなかに多く存在しています。ハウスダストをエサとして家のなかに生息しているのです。
ダニはアレルギーやぜんそくの症状を引き起こしてしまうこともあるアレルゲンであり、掃除だけでは取り除くことができません。たとえば、私たちが毎日使う布団にはダニのエサとなる皮脂やフケなどが多く存在しています。
さらに、私たちが寝ている間に汗をかいていることで、布団のなかはダニの好む環境になっているのです。そこで、ひとつの対策として、枕カバーやシーツなど洗えるものはこまめに洗濯をしましょう。
ダニのフンなどのアレルゲン物質は水溶性ですので、洗濯は効果的です。布団はこまめに洗うことは難しいですが、年に一度は丸洗いすることをおすすめします。
日ごろからおこなえる布団のダニ対策としては、布団用掃除機の使用や薬品での駆除があります。殺虫剤に抵抗のある方には、布団などに置いておくだけの防ダニシートの利用も効果的ですよ。
花粉
冬が終わって暖かくなる春は過ごしやすいものですが、花粉症の方にとってはとてもつらい時季でもあります。花粉は衣服などに付着して、家のなかにも入ってしまうのです。帰宅時には、衣服についている花粉を粘着シートなどで取り除くとよいでしょう。
また、静電気には要注意です。静電気は花粉やホコリを引きよせてしまいます。衣類には静電気防止スプレーを使用すると、花粉の付着を抑えるのに有効です。
カビ
家のなかには、キッチンや浴室など湿度が高く、カビの発生しやすい場所があります。カビが生えると、カビの胞子が空気中を漂いハウスダストとなってしまうのです。
湿度が高いとカビがさらに繁殖してしまうため、キッチンや浴室はこまめに換気をおこないましょう。とくに湿度の高い梅雨の時期には、除湿器を使って湿度を低下させることも重要です。アレルゲンごとに対策をおこない、アレルギー症状を予防しておきましょう。
ハウスダストの発生を抑えるには?
掃除や洗濯以外にも、ハウスダストの発生を抑える方法がいくつかあります。ここからは、ハウスダスト対策に有効な方法をご紹介します。
換気をよくする
家のなかに浮遊しているハウスダストは、換気をよくすることで減らすことができます。窓を開けて風の通り道をつくり、こまめに換気をしましょう。
空気清浄機を使う
ハウスダストの対策に効果的なのが、空気清浄機です。花粉やカビ、細菌などのハウスダストを取り除いてきれいな空気に換えてくれます。そのため、花粉症対策にも有効とされているのです。
布製品は防ダニ効果のあるものを選ぶ
カーテンやじゅうたんなどの布製品には、ダニを寄せ付けないための忌避加工が施された製品もあります。ハウスダストの発生しやすい布製品を防ダニ効果のあるものに変えることで、ダニの発生を抑えることができるのです。
洋服はコロコロをかける
外で衣服にくっついたハウスダストを家のなかに持ち込まないために、帰宅したら衣服にコロコロをかけるとよいでしょう。玄関にコロコロを置いておけば、部屋のなかへのハウスダストの持込みも最小限にすることができます。
日ごろから掃除はこまめにしよう
ハウスダスト対策は、やはり掃除をすることに限ります。ハウスダストを完全になくすことはできないですが、最小限に抑えるためにもこまめな掃除を心がけてホコリがたまらないようにしておきましょう。
このように、ハウスダスト対策にはさまざまな方法があります。必要な対策をとってさらにハウスダストを掃除することで、快適な空間が生まれることでしょう。
徹底的なハウスダストの掃除をしたいときは
「自分での掃除だけでは心配……」「布団を定期的に洗濯するのは大変そう」という方には、プロの手を借りて徹底的にハウスダストの掃除をしてもらうことをおすすめします。
たとえば、掃除してもカーペットや布団のダニが気になるという場合は、ハウスクリーニングの業者にカーペットのクリーニングや布団の丸洗いを依頼することができるのです。
ハウスダストは毎日空間を漂っていて、簡単に取り除くことは難しいものです。ぜんそくやアレルギー症状を引き起こさないためにも、効果的な掃除や洗濯などの対策は欠かせません。
ハウスダストは日ごろのこまめな掃除がとても大事ですが、徹底的にハウスダストをやっつけたいときには、業者に依頼してみるのもよいのではないでしょうか。